セバスちゃんの

なまらの国から 2011  えっ?ログ

 

 

 

 

東北レポート@

31.Mar-02.Apr

 

ブログやツアーレポートなどでもすでにお伝えしていますが、3/31-4/2にかけて被災地の宮城、岩手方面へ物資を届けに行って来ました。宮城・仙台に親戚や友達が住んでいることが直接のきっかけでしたが、地震直後から現地からの情報を聞くにつれ、ボクら山岳ガイドやアウトドアに携わって活動している人間が、被災地や被災者に対してサポートできることは少なくはないということで今回の活動となりました。

もちろん個人で活動できることは限られているし、状況も日々変わってきている中で、まずは現地の友達を通じて避難している家族や友達に対して衣類、食料などをピンポイントで届けて回りました。そして、被災地の現状をみなさんにしっかり伝えて、引き続き自分たちが持続可能な支援活動に繋げていければと考えています。

 

以下に、あくまでも主観的な見解ですが、活動の経緯と準備、被災地の現状と問題点、今後の活動ビジョンに分けて簡単にレポートします。今回の活動に際して、ボクらはどちらかというと経済的なサポートをできる立場ではまったくありませんでしたが、時間と体力、そしてアイデアを捻出し、なまらの国メンバーの方や仲間達に物資などの後方支援や応援をいただいて可能になったものです。ご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

ただ、僕らも含め、みなさんも経済的な制約や仕事があるなかでどっぷりと支援活動ができないのが現実だと思います。ですから、今後もみなさんからの多くのアイデアや意見、支援を集約しながら、シンプル&スピーディーに東北を応援していければと考えていますので、引き続きご協力お願いします!!           

2011/04/12 塚原

 

 

●活動の経緯と準備、現地までのルート

・石巻、女川出身の友人を通じ、避難所や自宅避難している方々の物資不足(防寒衣類、食料、燃料、アウトドアグッズなど)、また今後も見通しがよくないとの情報

・特に寒さ対策が早急に必要(ゲレンデウエアや帽子・グローブはすでに供給過剰)⇒アウトドアウェア&用具、特に雪山装備などは重宝されそうなので、そこに重点を絞って募集しました。化繊インナー上下、冬用靴下、フリース、ポケッタブルダウン、薄手グローブ、テントシューズ、ヘッドランプ、テント、エアマット、レインウエアなど

・ハイエース1台に物資を積んで、自分達の野外活動装備(寝袋テント調理用具ほか)、3日間の食事、予備燃料携行、同行者(ジャッキー、しお 2名)

・ルートは、AK(3h)函館(フェリー4h)青森(東北道4h)仙台(三陸道1h)石巻、女川

・配送先は、石巻女川の避難所2箇所、自宅避難者宅、新居移住者宅など数軒

 

●被災地の現状と支援に関わる問題点

・沿岸部の町はほぼライフライン不通(電気、水道、ガス)4/4現在

※4/12現在、電気、水道のみある程度いきわたってきたとのこと

・町はほぼ機能しておらず、燃料を含めすべて自己完結できる体制で行くこと

※4/10現在、燃料は入手しやすくなったが、その分頻繁に渋滞が起こっている模様

・リーダーのいるコミュニティは各自の役割分担がしっかりして気持ちもキープされている様子だが、避難所など多くの人がいる場所は雰囲気や衛生状況が劣悪

・物資のモノあまりが多く見られた⇒必要なところに必要なものが届いていない

・古着は余る傾向。おじさんはある程度対応してたけど、女性、若者はやはりキレイなものやカワイイものを好む。所詮自分が要らないものは他の人も大概要らない

・食料事情(特に避難所)がよくないので、ナマモノなど独自入手?で外で煮炊きしている人が大半⇒野外調理用具、テント、防寒具などが重宝されている

・必要なものはたくさんあるが、現状の避難生活では多くのモノをキープできない⇒仮設住宅や移住のタイミングで必要なものが出てくるが、みんなバラバラだし、見通しはまだまだ先の雰囲気

・現地のボランティアや役場の方は非常に一生懸命に活動されているが、縦割り、公平重視など行政システムの弊害で、助けたい人(義援金・支援金や物資)と困っている人たちがうまく繋がっていない

 

●今後の活動ビジョン

ボクら個人単位でできることはかなり限られ微力かもしれないけど、そんな小さな力でも必要としている人たちはいっぱいいました。ボランティアとは本来は自発的な行為なので、自己完結できて、被災地の役に立つのであれば短期間で現地へ赴くことも問題ないと思います。また、被災地ではいまだ国や各自治体の活動や組織がうまく機能していないエリアも多いので、そういう手の届かないところには、ボクらのように友達や知り合いのつてを使って支援していく方法がベターかもしれません。とにかく無駄を省いてピンポイントでより多くの人へ支援が届くように、被災地の情報やネットワークをできるだけ共有できるようにします。引き続き、今後必要になるであろう物資を集めながら、適宜現地へ発送出来ればと思います。

今後(数ヶ月)必要と考えられる物資でボクらが集めやすいもの 

野外で使えるカセットガス、コンロ、ボンベなど、水ポリタンク、携行缶、衣類(化繊系のアウトドアウェア、夏モノなど)、サンダル、長靴、レインウエア、テント、ヘッドランプ、ランタン、エアマットなど・・・ ※衣類は未使用または数回使用で清潔なものがよく、道具は問題なく使用できれば中古でも大丈夫です!

 

●最後に・・・

今回、被災地に行って悲惨な状況を目にし、現地の方たちとも話しをすることができました。『たくさんの人にこの惨状をみてもらいたい』 というおばちゃんの言葉が印象的でした。これはホントに人事ではなく、みんなでなんとかしなきゃいけないんじゃないかというのが正直な感想です。

今から20年近く前、北海道の奥尻島が甚大な津波被害を受けたあと、ボクらはできるだけ毎年島に通うようにしました。最初の数年は災害の爪あとが痛々しく、壊れたままの家屋、崩れた山肌、海岸に取り残された車、ウニのいない海を泳いでは、そこでツアーを行なう事自体どうなんだろうと自問自答したこともありました。

なんだかこの島で遊ぶことがとても申し訳なく思えたから。

でも、そんな思いを島のおばちゃんに伝えると、笑顔で一言。

 

『あんたたちが遊びに来てくれることが一番の復興なんだよ』

 

規模も違うし、何年先になるかわからないけど、いつか美しい三陸の海でカヤックツアーができることを夢見て、自分達のやれることを続けていければと思います。

 

 

 

 

石巻市内に入ると信号機も停電で、幹線道路はつねに渋滞

 

 

 

女川では津波の恐ろしさを実感しました。

港近くの建物は全て流され、ビルがひっくり返っています

 

 

 

3階建ての屋上に車

 

 

 

ここでは4度の津波が押し寄せたそうです。

1回目で堤防や建物を破壊し、そのあと多くの人を飲み込んだとのこと

 

 

 

この4階建てのアパートの最上階にまで津波の跡が・・・

 

 

 

こういう状態の中で、被害の小さかった家に集まって避難している方もいます

 

 

 

避難所の外で、物資を広げて必要なものを持っていっていただきました

 

 

 

どう、似合ってる?

笑顔を見るとホッとします

 

 

 

いろんなところでみんなの強い気持ちが感じられました

 

 

 

最後に物資を届けた岩手宮古にて

 

 

 

朝の来ない夜はない!! みんなでがんばろー

 

 

 

 

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